俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
すると、さっきまで楽しそうに話していた祈織お兄さんとはうってかわって、急に視線を下に落とす。
「……お兄ちゃんかぁ……。」
え……?
祈織お兄さんはぼそりと呟き、瞳は儚げに揺れた。
こんな祈織お兄さん初めてだよ……。
あたし、変なこと言っちゃったかな?
「お待たせいたしました。」
さっきの白髪紳士が注文したものを無駄のないきれいな動きでテーブルに並べていく。
「それではごゆっくりどうぞ。」
あたしは自分の目の前に置かれたスイーツに目を輝かせた。
「わぁー、きれい!」
苺のムースの上にはブルーベリーなどがキラキラと宝石のように輝いていて、チョコレートで作られた飾りもとても可愛かった。