俺様アイドルとオタク女のキケンな関係


あの時、あたしは部屋に閉じこもって、顔がぐしょぐしょになるくらい泣いてたんだ。


お父さんやお兄ちゃんはもちろんのこと、お母さんだって部屋には入れなかった。

いや、あの男2人に関しては心配すらせず笑ってたけど。


そんな時、ドアの向こうから優しい祈織お兄さんの声が聞こえてきたんだ。


「大丈夫?傍にいるから、安心して泣いていいからね。」


その言葉は心にすうっと入ってきて、あたしはドアを自然に開けてた。


頭にぽんぽんと優しく触れる大きな手。


あたしは祈織お兄さんにどれだけ慰められたかな――。


――だから、祈織お兄さんはとても特別な人なんだ。



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