俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
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そんな祈織お兄さんと一緒にいる時間は楽しくてあっという間に時間が流れていく。
祈織お兄さんはお洒落な腕時計を見るとびっくりしたように眉を動かした。
「あっ、時間を忘れてた!仕事あるんだったぁ……。」
祈織お兄さんは、しまったと頭を軽く叩く。
「じゃあ、急がないとですね。あたし、帰れますから心配しないでください。」
少しさみしいけど、祈織お兄さんは人気俳優。
忙しくて当たり前だ。
あたしが立ちあがると、祈織お兄さんに肩を掴まれて呼び止められた。
あたしは驚いて、斜め後ろを向いて祈織お兄さんの顔を見上げる。
「女の子を一人で返せるわけないだろ。実來ちゃんのこと心配だから。」
胸がキュンとトキめく――。
「……で、でも」
「そのぐらいの時間はあるから心配しなくていいよ。」
こんなに女の子扱いされたのは初めてだから、すごい嬉しいよぉ――。