俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
俺は脳裏に浮かんだものを取り払うように、前髪をけだるい手でかきあげた。
あんなの思い出すなんて、俺疲れてんだな……。
両足を擦りあわせて靴を脱ぐと、部屋の明かりも付けず中へ入った。
部屋の真ん中辺りにある黒いソファーに、腕に通していた変装セットの紙袋を投げ、自分もドカリと腰掛ける。
まだフカフカなソファーは心成しかいつもより俺を深く沈み込ませた気がした。
はぁ……。
真っ暗な天井を見上げるが、未だに苛立ちはおさまらない。
これ、全部、全部、……アイツのせいだよなぁ……?