俺様アイドルとオタク女のキケンな関係


アイツは口をパクパクさせ、未だ驚きをおさえられないでいる。


しばらくそうしてればいい。


余計なことを言わなくてちょうどいいだろ。


「なあなあ、実來、誰なんだよ?」

「み、実來にか?」


食卓に同席している2人が少し半笑いで聞いてくる。


……笑いやがって。


それもハゲオヤジじゃんか!


俺はリビングの入口に立ち止まったまま、怒りをおさえる。


「山田君は実來のクラスに来た転校生だそうよ。この間も遊びにきてくれたのよね。」


アイツの母親は、エプロンの裾をひらりとさせ俺の方に振りかえりにっこりと微笑んだ。


「……あっ、はい。」


俺は適当に答えながら、アイツの母親と父親を見比べていた。


本当に夫婦かよ……??



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