俺様アイドルとオタク女のキケンな関係


あぁー、この家の人間すべてめんどくせー……。


「い、いただきます……。」


俺の目の前には、ご飯にお味噌汁にメインのおかずといった典型的な家庭の夕飯が並べられていた。


……こんな食事いつぶりだろう?


ご飯が作れないわけじゃないが忙しくて作る時間がなく、ロケ弁や外食ばっかりだ。


脳裏にまた、数ヶ月前の見慣れた茶の間に食事が並べられた光景が思い浮かぶ。


――今日はこんなこと思い出してばっかだな。


俺はかき消すように鶏の唐揚げを口に入れた。


「お口に合うといいんだけど……?」


………。


味は同じじゃないけど、……何でか懐かしくなる。


「……美味しいです……。」


――本当に美味しかった……。


その時ふくらはぎに衝撃を感じ、ぼーっとしてた思考が引き戻されていく。


何だってんだよ!



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