俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
「あっ!!蓮様キーホルダー!!ずっと探してたんです。ありがとうございます、祈織お兄さん!」
この俺を無視して進んでいく会話。
蓮様蓮様って!!
アイツはそれをまるで壊れもののように手に包み込むと、聞いたことのないワントーン明るい声にキラキラとした笑顔を浮かべながら乙女のように礼を言っている。
何なんだよ、アイツ……。
俺には、フィギュアをやったって一度だって礼は言わず、憎まれ口ばかりたたいてきたくせに。
お前に、その乙女みたいな声も、表情も、似合うわけねーだろ。
自分を知れ、バーカ!
俺は心の中で馬鹿にしまくりほくそ笑んだ。
「よかった。車の中に落ちてたからさ。……あっ、お友達?ごめんね。」
水無月祈織はようやく俺の存在に気付いたのか視線をこちらに少し送ると苦笑しながら謝った。
「いいんですよ。大丈夫ですから、祈織お兄さんが心配する必要ないですよ。」
バカにしたように言うアイツ。
もう我慢ならない!