俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
「ん?今なんか言ったか?」
前には大きなお腹が目立つジャージ姿のハラダシが立っていた。
もう大分肌寒くなったのに、てかっているおでこ。
太り過ぎだよ、ハラダシ。
「いえ何も言ってませんよ~。」
あたしは面倒くさくてあからさまな愛想笑いを向ける。
厄介なやつにつかっまっちゃったな。
「そうか~?ま、いいか。それよりさっきは頭抱えてどうした?勉強で頭痛でもしたか?」
腹を揺らしながら、ちっとも心配しているようにはきこえない笑い交じりの声で聞いてきた。
「まあ、そんなとこですぅ。」
「いや、太田に限ってそれはないな。アッハッハッハ!ちゃんと学業には励めよ。じゃーなー。」
勝手に自分から聞いてきたくせに、ペタッペタッとサンダルの音を立て笑いながら去っていった。
ハラダシこそ、ダイエットに励めっつーの!