俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
「……それは、無理。もとはといえば寝てた俺をお前が誘ったんだろ?」
アイツの低い声が変に静かすぎる空間に響く。
「だ、誰が誘ったっていうのよ!?アンタなんかを!!」
あたしはブチギレて精一杯の力を込めて手を振り払おうとした。
でもアイツは手首が痛いほどに押さえつけてくる。
「素直に言えばいいのに。男嫌いっていうのも嘘なんだろうからな。」
……何なの……?
いつもより声は低くて威圧的だし、あたしをとらえるこげ茶色の瞳はどこまでも深く感じられた。
いつもと違うよ、コイツ……。
……怖い……。
怖くて、反論したくてもうまく言葉が紡げない。
その時、唇に何かが触れた――。