俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
怖いよ……。
意地悪だけど、ここまで最低なヤツだとは思わなかった……。
その時、目尻に涙がたまった気がした。
すると、するりと衣服の擦れる音がして、手首に加わっていた強い力が感じられなくなった。
へ?
固くつむっていた瞼をゆっくりと開ければ、目の前に広がっていたのはアイツじゃなくて等間隔で蛍光灯が取り付けられた天井。
……ん?どういうこと……?
あたしはイマイチ状況が飲み込めないまま、力なくテーブルからすとんと降り床に足をつけた。
そして目に映ったのは、何事もなかったように床からブレザーを拾い、だるそうにはたいているアイツの姿だった。
……さっき、あたしは、確かにアイツに……。
あまりのショックで頭は空っぽで、頭がぽーっとしてる。
「おい、どうした?」
「は……?」