俺様アイドルとオタク女のキケンな関係


……やっぱり嫌いだ。


俺がそう思っていると、水無月祈織は毎度の爽やかスマイルでどこか遠くの方に手を振り始めた。


……ん?


手を振る先に何があるのかと、別に水無月祈織に興味があるわけじゃないが、目を細めて遠くを見てみた。


なんだかキャピキャピと騒がしい声が聞こえる。


周りにはロケのことを聞きつけたギャラリーが少しはいるが、その声はどうやらそこからではないようだ。


するとこっちに向かって駆けてくる3人の女が見えてきた。


キャーキャーうるさいソイツらは水無月祈織の元へ。


水無月が呼んだのか、あの女達を。


主演俳優様は、仕事場に女を呼んだりなんかして随分余裕だな。


俺は呆れてフンと鼻を鳴らし台本を手に取る。


「神崎君ー、ちょっといいかい?」


はぁ!?水無月祈織が何の用だよ!?



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