俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
外見が変わると、ここまで態度が変わるもんなんだな。
なんか滑稽で笑えてきそうだ。
「ありがとうございます。」
俺は神崎拓真として笑顔を浮かべ、手を差し出す。
その女はびくりと肩をちぢ込ませるとおずおずと握手してきた。
「か、感激です……!」
俺はお決まりのパターンでもう一度微笑みかける。
そうすれば決まって女は顔を真っ赤にする。
この女もその一人で、もうフラフラになりそうだ。
俺はその瞬間に視線を横に移した。
カサカサと音を鳴らす赤く染まった葉の下で、穏やかに微笑みながら水無月祈織と楽しそうに話すアイツ。
俺の方をちらりとも見ねぇ!
そんなに水無月祈織といるのは楽しいかよっ!