俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
「……水無月さん……、お疲れ様です。」
噂をすればなんとやらってやつか。
「今日の休憩は時間を取らせちゃってごめんね。」
「いえ、全然平気ですよ。でも、驚きました。まさか撮影現場に実來たちが来るとは思いもしなかったので。」
俺はすぐさま後輩らしい態度をとる。
だけど、最後の言葉に少しだけ毒を含ませてみた。
「あぁ、ちょうど電話したら、お友達も一緒に撮影現場見てみたいって話になって。」
水無月祈織は笑顔一つ崩さず言葉を返してくる。
鈍感なのか……、余裕なのか?
よくわからない人だ。
すると、水無月祈織はコートのポケットに両手を突っ込むと体を横に向けて、俺にこうきいてきた。
「神崎君はさぁ、実來ちゃんと同じクラスなんだよね?」
……は?