俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
質問の意図がわからない。
だが俺は半信半疑ながら答えた。
「……そうですけど。」
「そうだったよね。」
水無月祈織は再び目をそらして遠くを見ると、ゆっくりと言葉を紡ぎだした。
「実來ちゃんのことどう思う?神崎君は……。」
何が言いたい……?
俺の中は不信感で溢れていく。
言葉はもちろんだが、秋のオレンジの夕日に照らされ、影のさした水無月祈織の横顔からあの無駄に爽やかな笑顔が消えたように見えたんだ――。
そう、いつだって浮かべてる俺の嫌いなあの表情が……。
でも、今はまたいつものあの笑顔を浮かべている。
あれは俺の見間違いだったのか?
でも、不信感は未だになくならない。