俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
あぁっ!!
俺は頭をかき乱した。
何くだらないことを考えてんだよ!
俺はただ、水無月祈織にそばをうろつかれなければいいだけだろうが!
俺は肩の力を抜いて気を取り直し、テーブルに置かれている鞄から漫画を取り出した。
そうだ、こんなことを考えてる場合じゃない。
今はオーディションに備えるだけだ――。
昨日もだいぶ読み進めたし、一之瀬蓮というキャラが俺の中でもだんだんとつかめてきた。
まあ、いわゆる王子様キャラで、顔は俺に似ているかもしれない。
まあ、俺のほうがかっこいいに決まってるけど。
すると、漫画に視線を落としていたら、戸の辺りで小さな音がした。