俺様アイドルとオタク女のキケンな関係


玲ったら、必死になっちゃって、きっとエマちんも知らないよ。


エマちんはそういうの興味ないし、あたしたちしか知らないことだけど、エマちんの好みのタイプはかなり独特なんだ。


だから、知らないのはきっとあたしだけではないと、あたしは心の中で余裕で笑ってた。


そして、少し思案したあと、やっと口を開いたエマちん。


絶対“知らない”って言うはず。


「……ああ、最近よく出てる人だよね?アイドルの。よくは知らないけど、名前は聞いたことあるよ。」


えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!


「うそぉ!?!?」


あたしはパニックで頭を押さえる。


「ほら、みなさい、実來。あんたが知らなすぎるってことがよくわかったでしょ?」


「はいはい、参りました……。」


勝ち誇ったように笑う玲を見て、唇をかむあたし。


……惨敗です。



< 23 / 348 >

この作品をシェア

pagetop