俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
もう台本を読むことを諦めて、眼鏡を外し、前髪をかきあげた。
自然と出る深いため息とともに、ソファーに体を預ける。
目にうつるのは、空虚な白い天井――。
……俺って本当に大人気ないよな……。
実來ちゃんを困らせて……。
そんなこと絶対にしたくなかったのに……。
募り続ける後悔がまたため息になって出て、額に腕を乗せた。
始めは実來ちゃんを守りたいだけだった。
神崎君が現れて、また実來ちゃんが……辛い想いをしないようにって。
俺は、実來ちゃんの笑顔さえ守れれば、それでいいと……思ってた……。