俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
「……本気で賭けたんだよ――。」
「えっ……?」
気付いたら口にしてた――。
そして、実來ちゃんの戸惑いの声が夕暮れに切なく消えゆく。
「俺はたぶん、実來ちゃんが思うような男じゃない……。」
俺はそう言いながら、今日初めて正面から実來ちゃんを見た。
横からさす夕日は実來ちゃんの困惑した表情をオレンジ色に染め、そして影を落とす。
それだけで胸が痛い。
俺が想いを伝えなければ、今までのようにお兄さんを続ければ、また笑ってくれるんだろうか?
……だけど、そんなの絵空事――。
もう俺は限界らしい――。