俺様アイドルとオタク女のキケンな関係


「……うそ……でしょ?……祈織お兄さん……。」


俺の腕の中で声を震わせている実來ちゃん……。


……うそ……なんかじゃ、ないんだ……。


「本当だよ……。本当はお兄さんなんて呼ばれたくない――。実來ちゃんのことが好きだから。」


“祈織お兄さん”そう呼ばれるたび、針で刺されるように胸が痛くなった。


実來ちゃんが笑顔で呼んでくれるのは嬉しいのに、いつも苦しくなるんだ……。


でも、一番苦しいのは実來ちゃんの辛そうな顔を見ること……。


「……あの日、泣いてる実來ちゃんを見て、自分の気持ちに気付いた。実來ちゃんのこと守りたいって思ったんだ――。」



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