俺様アイドルとオタク女のキケンな関係


……あの時の実來ちゃんが忘れられないんだ……。


真っ暗な部屋で独り、あんな男のために目を泣き腫らして。


――実來ちゃんが、今にも消えてしまいそうに見えた。


その瞬間まで親友のただの妹だったのに、俺の中で何かがかわったんだ――。


泣いてる実來ちゃんを見ると苦しくて、実來ちゃんを泣かせたその男を殴りに行きたいとさえ思った。


守りたいって思った――。


だって、俺の胸にすっぽりとおさまってしまうほど、実來ちゃんは華奢で小さいのだから……。


少しでも力を込めれば壊れてしまうんじゃないかと思うくらい。



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