俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
俺は名残惜しい気持ちで実來ちゃんを離す……。
実來ちゃんは予想通り、少し潤んだ困惑した瞳で俺を見上げていた。
そんな瞳で見つめられると、胸がどうしようもなく締め付けられる。
だけど、悲しいけど……、
不思議と少しだけ胸のつかえがとれた気がするんだ――。
少し苦いけど、今ならちょっと笑える……。
「俺がオーディションで勝ったら、もう一度告白させて?それまでに返事考えておいてほしいんだ。」
俺は実來ちゃんの夕日の光でキラリと輝く瞳を胸に焼き付けた。
今回のことがただのオーディションにすぎないのはわかってる。
でも、言い訳でもいいから、きっと勝って、もう一度想いを伝えよう――。