俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
だけど……、ううん、だから――、わからないの。
祈織お兄さんが何であんなことを言ったのか、
自分の気持ちはどうなのか……?
あたしはふと、ごちゃごちゃした頭のままで、頬杖をつきながらのそりと右側を向いてみる。
あたしの隣の席は空席。
憎たらしいアイツがいないのは別に珍しいことじゃない。
でも、今日だけは別。
――そう、オーディションの結果が出る日。
はぁ〜……。
この間から気が重い。
だってこのあたしにとってアニメは一番の栄養剤なのに、いくら見ても気分がはれないんだもん。
おかしいよね?
パシッ!
その時頭に痛みが走った。