俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
――キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン。
チャイムの音とハラダシやみんなの声が響くけどその音はどこかクリアじゃない。
あたしはケータイを握りしめたままぼーっとしていた。
頭はより一層ぼやっとしてる……。
「ねえねえ、実來ちゃん!原西先生に声かけられていいなぁ!私もあんなことされたいなぁ。」
気付けばいつの間にかエマちんがあたしの横で手をギュッと合わせ、キラキラな乙女の瞳をしていた。
「……いや、いいもんじゃないけど……。」
いつもなら色々突っ込むとこだけど、今はとてもそういう気分じゃない。
どうしたらいいのか……?そればっかりだ……。
すると玲が来て突っ込みを入れた。
「絵麻、いい加減ハラダシはやめなって。可愛いのにもったいないから。それより今日一緒に本屋行こ!神崎拓真のピンナップがついてる雑誌買いに行くの!」
“神崎拓真”か……。