俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
エマちんと似たようなキラキラな笑顔を浮かべる玲を見て、あたしはまたぼんやり遠くを見た。
「ごめん、今日はパス……。じゃあ、またね……。」
あたしは簡単にスクバにものを詰めて、ふらりと教室を出た。
どうしたらいいものか……?
あぁ、だから現実の世界は……。
あたしは頭を抱えながら、重い足取りで歩き、なんとか正門まで来た。
ため息をついて少し顔を前に向けると、道向こうに手を振っている男の人が。
――誰に手っ振ってんの?
今も頭はもやもやしてるけど、今度はそっちが気になって仕方なくなった。
首にはグレーのストールがゆったりと巻かれ、全体的にモデルさんのようなオシャレなファッション。
そして、メガネにハンチング……。
ん?もしかして??
すると、その人は確かにあたしにむけて手招きしてきた。