俺様アイドルとオタク女のキケンな関係


結果……。


あたしは頷けなかった。


こういう時どうしたらいい……?


あたしは足元を見つめることしかできない。


「やっぱり知ってたんだね。……見事に負けちゃったよ。」


その時、あたしの耳にちょっぴりさみしいけど、爽やかな声が舞い込んだ。


あたしがパッと上を向いて見ると、切なそうに笑う祈織お兄さんがいた。


ついすぐに目をそらしてしまう……。


そう、あたしはさっき結果を知っちゃったんだ。


アイツからのメールには〈オーディション受かったぞ。当たり前だけどな。忙しいけどこれから会ってやる。いつも車止めるとこで待ってろ。待ってなかったらどうなるかわかってるだろうな?〉と書かれていた。


アイツの頑張る理由を聞いて、確かに応援したくはなったけど、結果をきいたらやっぱり複雑な気持ちになる――。



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