俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
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「あ~ぁ、神崎君には負けちゃったなぁ。」
公園のブランコに腰掛け、遠くを見つめて苦笑いをする祈織お兄さん。
「あの賭け、あの時だけのものですよね……?あんなことで祈織お兄さんに会えなくなるなんて、イヤです……。」
あたしも祈織お兄さんの隣のブランコに座り、小さく揺らしながら、願いを込めてそう問いかけた。
だって、あんな賭けなんかで、祈織お兄さんとの関係が壊れるなんて、そんなの……。
「……賭けは、賭けだよ。男同士の約束だから守らないわけにはいかない。」
何でそんな……。
あたしは祈織お兄さんの重い言い方に下唇をギュッと噛んだ。
「でも、これで、実來ちゃんに返事もらえなくなっちゃったなぁ。」
急に祈織お兄さんは、ため息をつく。
あたしもずっとあの返事を考えてた。
祈織お兄さんは、真剣に想いを伝えてくれたから――。