俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
お母さんかぁ――。
あたしはちょっとびっくりしたし、後ずさってアイツの陰に身を隠した。
「元気そうでよかったわ。お父さん、あれでもね、喜んでたのよ。」
アイツのわきから、アイツのお母さんがちらりと見える。
綺麗な人だなぁ。
品がある人、そんな感じだ――。
「あの親父がか……?」
アイツは照れるように頭をかきむしった。
すると、お母さんは首を傾げアイツの後ろを覗きこむように、あたしへと視線を送ってくる。
「あっ、そういえば、太郎、そこのお嬢さんは?」
気付かれてしまい、あたしはピンと棒のように硬直する。
き、気付かなくていいのに……!!