俺様アイドルとオタク女のキケンな関係


せっかく優しくしてやったていうのに!!


何なんだよ、このバカオタミク!


俺はアイツの妙に冷めた物言いに、腸が煮えくりかえるばかりだ。


悔しさに奥歯をギュッと噛み締める。


主演を射止めた俺が目の前にいるのに、口を開けば祈織、祈織って!!


今、水無月祈織は関係ねーだろーが!


こんなヤツの言葉にこの俺のプライドが傷つけられるとは……。


――このままじゃいられねぇ。


“神崎拓真”の誇りを捨てるわけにはいかねーだろ!


「わかった。いいだろう。」


そうだ。


こんなヤツに向きになってどうする、神崎拓真。


「お前のために俺の貴重な時間を割いてやろう。特別にだぞ。行先は考えとけ。放課後に正門な。」


本当に俺は寛大な男だよな――。



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