俺様アイドルとオタク女のキケンな関係


まぁ、少しそんなことを思ったが、飲み物だけでいいというならいいだろう。


俺はそう割り切り、ステーキとドリンクバーを2つ頼んだ。


ステーキが来るまでお互いに無言でドリンクバーでいれてきたものを飲む。


……なんかすっきりしない。


人前だからこの邪魔くさいカツラは外せないし、合い向かいでコイツの仏頂面見てても面白くないし。


モヤモヤするばっかりだ。


「お待たせいたしました。サーロインステーキでございます。」


注文したものを持ってきたウエイトレスに、念のために感づかれないよう伏し目がちにしテーブルに置かれるのを待つ。


「では、ごゆっくりどうぞ。」


はぁ~、もうコイツのことは気にしないで食おう。


腹がぺこぺこな俺はガツガツ、ステーキとご飯を頬ばった。


……が、前を向くとわかんねーけど手が止まる。



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