俺様アイドルとオタク女のキケンな関係


だって、前に幽霊みたいのがいるんだから無理もねーだろ。


瞳は何もない空を見つめ、ただチビチビと紅茶をすするように飲むアイツ。


俺、オーラとか見える人間じゃなかったよな?


周りのがやがやしている客には見えないが、コイツの周りだけにはハッキリと見える。


どんよりとした灰色のモヤモヤが。


こんなんじゃ、ステーキがまずくなるだろーが!!


「おい、お前なっ!!」


いい加減文句いってやろうかと思った矢先、アイツがカタンと音をたてゆっくり席を立つ。


「……ドリンクバー、行ってくる。」


やる気のない声でそう告げるとふらりと消えていった。


何なんだ、アイツ!


俺の飯まずくしといて、何が“ドリンクバー行ってくる”だ!!


ふざけんなってんだ!



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