俺様アイドルとオタク女のキケンな関係


「どうしたんだい、ママ?」


リビングにいるお父さんがいつもの調子でお母さんに声をかける。


「ちょ、ちょっと大変なのよ!パパ、お兄ちゃん!」


お母さんは驚きを隠せないままリビングに駆け込んだ。


「あの、失礼します。」


アイツが中に入って頭を下げるのを見ながら、後に続いて中へと入る。


「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


見事、太田家に大音量の声が響き渡った。


たぶんウチだけこの声で地震おきたよ、絶対。


「かかかかか神崎拓真ぁぁぁ!」「テレビの人だぁぁぁ!!」


お兄ちゃんとお父さんが派手に尻もちをつきながらもアイツのことを凝視する。


「い、妹よ、どういうことだぁ!?」


うーん、説明面倒くさいなぁ……。


「今まで嘘をついていて、すみません。神崎拓真の本名は山田太郎。いつも変装してました。」


「ドヒャァァァァァ!!」



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