俺様アイドルとオタク女のキケンな関係


すると、後ろから池田さんが歩み出てきた。


「太田さん、大変申し訳ありません。この度は拓真の不注意からこのようなことに。私、マネージャーの池田と申します。」


池田さんはポカンとしているお父さんにスッと名刺を渡しながら話を続ける。


「ご家族の皆様にはしばらくマスコミなど、ご迷惑をおかけすると思います。ですが、特に実來さんご本人はマスコミやファンから危険にさらされることが予想されます。」


池田さんの流れるようなしゃべり方に、ただ「はぁ。」と聞くしかできないお父さんたち。


すると、立ちかわってアイツが本題を切り出した。


「そこで、ひとまず実來さんの安全のためにも、セキュリティがしっかりしている俺のマンションに泊めてもいいでしょうか?」


本当に言うんだ……。


いくらなんでも、そんなことあたしのお父さんとお母さんだって反対するに決まってんじゃん。


あたし自身、アイツのところで寝泊まりするなんて無理だって!


「あ、はい、どうぞどうぞ。こんな娘でよければ。」

「妹を頼むぞ、弟よ!」

「実來をよろしくね!」


へっ……?


えぇぇぇぇぇ!?!?!?!?



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