俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
ぐらりと揺らいだ視界に目をとしたあたしは、パチッと眼を開けた。
きれいに澄んだ黒い瞳、濡れている無造作な艶のある髪、そして爽やかなシャンプーの香り。
いつもと違うアイツ……。
大人っぽく見えて、何故だか心臓がいつもと違う音をたてる。
――って、いやいや、そんな場合じゃないだろ、あたし!!
今どういう状況!?!?
倒れ込んでベッドの上……、そして背中に腕のような感触……。
「やっ、ちょ、ちょっと!は、離れて!!」
こここここここの状況はヤバいって!!!!!!あたしは思いきり暴れた。
「あのさ、俺、今日のことまだ礼言われてねぇんだけど。」
ニヤリと笑ってアイツが言った言葉にあたしはピタッと静止する。
……そういえば、そうだった……。
「……ごめん。……ありがとう。」
目を合わせずに呟いた後、ずっと不思議だったことを聞いてみた。
「……でもさ、何であんなこと……?アンタ、アイドルじゃん……。」