俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
「何すんの!この悪魔!」
あたしは片手でおでこをおさえつけながら、アイツをキッと睨んでやった。
ホント、ムカつくコイツ!!
「ハハッ、お前はうるさいぐらいがお似合いだ。だから気にすんな。呑気に笑ってろ。」
え――?
おでこをおさえてた手の力がへなへなと抜ける。
目を細めて、アイツが安心したように笑うんだもん――。
……調子……狂ぅ……。
その時視界が暗くなって、唇にぬくもりを感じたんだ――。
――なに、これ……?
見開いた目にはアイツの穏やかな笑顔がうつって、心臓はうるさいのに、何故だか心が安らいでいく。
でも、アイツは何もなかったようにスッと立ち上がる。
「じゃあな。とっとと寝ろよ。」
そう言って部屋を出ていった。
あたしはぼーっとしながらぬくもりの残る唇に指で触れる。
――アイツ……、こんなの反則だよ――。