俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
「一夜をともにして何かあったか!?まさか実來から襲ったりしてないか!?」
ケータイから離れている俺にもはっきり聞こえる声にため息を吐いた。
今だにこんな人がモデルのAKIRAだなんて信じらんねぇ。
「このバカエロ兄貴!!それより家は!?」
アイツは強く怒鳴り付けた後、俺には聞こえなくなった相手の声に驚いたように相槌を打って電話を切った。
「どうしたって?」
俺が無理と無関心そうに聞いてみると、アイツが微笑んで話しだす。
「祈織お兄さんがマンション用意してくれて、みんなそっちに移ったから大丈夫だって。ほら、社長の息子さんだから。」
……水無月祈織か……。
「そうか……。」
俺は口をつぐんで遠くを見た。