俺様アイドルとオタク女のキケンな関係

笑顔で軽いノリで言うけど、なんか違和感がある。


この人どこまでが本気なのかよくわかんねぇ。


でも、そんな俺にはお構いなしにまた楽しげにアイツの話を続ける水無月祈織。


「実來ちゃんといるとさぁ、何もかもが新鮮に見えるんだよね。よく変わる表情も、堂々と好きなものを好きって言えるところも。」


そう話す水無月祈織の笑顔はすごくやわらかくて、すごく大事そうに話していた。


「――俺には、ないものばっかり持ってるんだよね。俺にとっては実來ちゃんがすごく眩しく見えたよ。」


なんだかわかんねぇけど、声や表情からにじみ出る優しさから、強いアイツへの想いが伝わってくる。


あの水無月祈織が、そんなにアイツを……？


「人ってさ、どう見られてるか気にしたり、誰かと意見を合わせたり、嘘つくじゃん？でも、実來ちゃんはいつも真っ直ぐなんだよ。胸を張って、ありのままの自分でいる――。」


真っ直ぐか……。


確かにアイツ、超オタクだけど、隠そうともしないよな。


うるさいほどに自分の意見をまげようとしない。


嘘なんかつけないヤツだよな。


俺は思いだして、おかしくなって少しふき出した。