俺様アイドルとオタク女のキケンな関係


すると、一曲目が終わってアイツの喋り声がマイクによって響き渡る。


「みんな、今日はありがとう!あー、みんなあの記事のこと知ってるよね?」


一気に歓声ではなく嫌な感じに騒めきだす場内。


――アイツ、自分から言いだすなんて何考えてんの!?


アイツは飄々としてるけど、あたしは気が気じゃなくてドキドキし始めた。


「あの記事を見てみんな色々なとり方をしたと思う、されてもしょうがないと思う。――でも、いつも応援してくれるみんなだからこそわかってもらいたいんだ。」


大きなモニターにはアイツの綺麗で真っ直ぐな瞳が映し出された。


……すごい――。


ざわめきがピタリとやんでいく。



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