俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
ライトに照らされてるアイツは緊張している様子もなく話し出す。
「一緒に写ってたヤツ、どんなヤツだと思います?」
アイツの笑った声とは真逆で会場の空気は重くなる。
いやそれ以上にあたしの心臓が持たない……。
あたしは固唾をのんで見守った。
「ソイツ、すんげぇ変わり者なんですよ。オタクで、女のくせに乱暴で、それも俺のこと知らなくて、悪印象ばっかり。ほら、信じられないくらい、変なヤツでしょう?」
は??
何だ、その言いようは!!
それもこんな大勢の前で失礼な!
思わずムッとしていたら、周りからは何故かくすくすと笑い声。
何故に?どこに笑う要素がある??
「冗談じゃなくて本当なんですよ。俺も本当に変なヤツって思いました。――でもソイツ、すごいオタクだけど、全然隠そうとしないんです。たとえ、他人にどう思われても。」
アイツの声が少しずつ真剣なものへと変化して、再びファン達は静まり返る。
あたしは胸にそっと手を当てた……。
だって、心臓が何故かドキンと反応するんだもん……。