俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
息がかかりそうなほどの距離――。
今あたしの目に映るのは、薄暗い図書室で少し影のさしたアイツの顔だけ。
今すぐ逃げたいけど、動いたら唇が触れそうで動けない……。
それに、何でか心臓が変な音をたててる――。
現実の男なんて大嫌い……、
なのに、
こんな最悪な男なのに、
蓮様にしか見えなくて、
あたし、ドキドキしてる……。
輝く栗色の髪、
切れ長の目、
鼻すじの通ったシャープな顔立ち。
最低だけど、
蓮様にそっくりで
絶対に会うことのできない蓮様が目の前に現れたみたいで
トキめいちゃうんだ。