俺様アイドルとオタク女のキケンな関係


はぁ……。


俺は心の中でため息を吐く。


普段は笑顔を浮かべている池田さんだが、時折、冷徹な一面を見せる。


これこそ池田さんの本性じゃないかって思ってんだよな……。


「お前には自覚が足りない。この間のことといい、今回バレたことといい……。」


冷たい声が俺の耳へと入り込んでくる。


………説教が始まった……。


「お前は人気アイドル“神崎拓真”だ。バレたら大変なことになる。その女の子以外ばれないようにしろよ。でないと、何のために学校を変え、変装してるんだか……。」


何か反論したいが、いつもこの雰囲気から何も言い返せない俺。


まあ、確かに池田さんの言っていることは、その通りだ。

わざわざ芸能人が通うような学校ではなく、普通の学校に来たのに、水の泡になる。


「わかってます。あの女のことはちゃんと手を打ちます。」



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