俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
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あぁ、めんどくさ。
何で忙しい俺があの女のために時間を割かなきゃならないのか……。
今は帰りで、俺はあくまでダサい男を演じながら猫背で伏し目がちに一人で歩いている。
そんなふうに演じながらも、先に教室を出ていってしまったあの女をさがす。
少し小走りに歩けば、女3人で並んでいる中にアイツがいた。
面倒な問題はさっさと片付けてやる。
「あ、あのぅ、…ちょ、ちょっと用があるんですがいいですか…?」
こんな弱々しい言い方はしたくないが、あくまで演技をする。
やはりアイツはムッとしたような顔をしたが、隣にいる女が口を開く。
「実來ちゃん行ってきなよ。少し先にってるから。」
「そうね、行ってっらしゃいよ、実來。じゃ。」
一人はまったりと、もう一人はニヤリと笑って言った。
ちょうどいいじゃないか。