俺様アイドルとオタク女のキケンな関係


すると、池田さんが運転をしながら、コイツに向かって話し掛ける。


「拓真が手荒なことをして申し訳ありませんね。私は拓真のマネージャーの池田です。どうかお許しくださいね。」


「あ、はぁ……。」


今度は少し畏まったように俺と距離をおいて座り直し、困惑気味な返事を池田さんにする。


「池田さん、そんなのいいんですよ。」


俺は池田さんに話し掛けながら、暑苦しいカツラをとり、ネクタイを左右にずらしつつ下に引っ張り緩めていく。


隣では何だか不自然にチラリとアイツが俺を見ていた。


俺は口の端で笑い、池田さんに話し続ける。



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