俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
――バタン。
「どうしたの、実來??」
目の前にはびっくりした顔をして、しっかりとお盆を抱えたお母さんがいた。
ギリギリセーフ。
あたしは廊下側からドアを閉めると、ドアに寄り掛かった。
息切れがして、肩が上下する。
はぁ~、どうなる事かと思ったぁ~。
「何でもないよ…。あとはあたしがやるよ。」
あたしは疲れと安堵でいっぱいな体で、お母さんからお盆をとった。
「そ、そう?」
「うん、平気だから。」
「わかったわ。ゆっくりしていってもらうといいわ。」
そうしてお母さんはにっこり笑って階段を下りていった。
あぁ、もう嫌だ。
心臓がもたないわよ!
ツッコミたいことは色々あるけど、アイツと名前の話するのはやめよう……。
そして、とっとと帰らせよう。