恋屑(コイクズ)-短編集-
No.16

いいに決まってる


最近私はとてもよく働いていると思う。本当に自分で自分をほめてあげたいくらい頑張っている。





今日も確実に私は悪くない後輩のミスの後始末に付き合ってあげて残業してきたわけだし。





本当は今日は三歳年下の彼氏と夜会う予定だったけど遅くなりそうだったから断った。




だから心の中くらい嫌味を言っても許してもらいたい。あんな凡ミスはないわ。あんたはここで働きだして何年目だよ、バカーっ!!




若干イライラしながら私はコンビニでお酒とつまみを買って真っ暗な自分の家に帰宅。明日は久々の休みだし今日はとことん飲んでやる。





って、思うんだけど予想以上に身体は疲れてるみたいで家に帰るなり睡魔が。





あー、やばい。とりあえずコートも脱がずにソファーに寝っ転がる。





「あ゛ー、もう疲れた。」





我ながらびっくりするほどおっさんみたいな声。寝るならメイク落として着替えなきゃ。でもそれすらめんどくさいなー…





そのまま寝たらお肌荒れちゃうよ?





うん、わかってる





スーツもシワだらけになっちゃうしお酒もぬるくなっちゃうよ?





うん、わかってるってば……………





って、え?





ガバッとソファーから起き上がる。え?今私誰と会話してた?





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