ジュリアン・ドール
しかし・・・・・、この夜すべての運命は動き出していた。それは、ジョウとミサの婚約も正式に成立した日の夜の出来事だった。


サロンはその日の夕刻にはダルダに行き、ダルディへ人形を買い取る為の金額の半分を渡しているはずなのだから。残りの半分は、二人の婚約披露パーティの際に、ダルディもその日は早めに店じまいをし出席する事になっていて、その時に人形と引き替えに支払われるという約束になっていた。

そして人形が動き出したのは、この夜の出来事だったのだから・・・・・。


自分の家から、問題の人形が消えていることなど、ジョウは知るはずがかった。


翌朝、どんな騒ぎになるのだろうか?


ベルシナの、夜明けはまだ遠い。
< 62 / 155 >

この作品をシェア

pagetop