ジュリアン・ドール
「ハーリーも早く帰って、暖かいうちに早くパンを食べておくれ。ほら来た!いらっしゃい!!」



一人の客が来だすと、二人、三人と、一気に客が増えて来る。



「3リトルと2ペニー頂くよ。それから、新しいパンのサービス食べておくれ」

「ありがとう、メアリーおばさん」

「こちらこそ、いつもありがとう。また宜しくね、キャシー」



「メアリーおばさん、食パンを半分切ってもらいたいんだけど」

「あら、ビアンカ。今日は一人かい?」

「ええ、お使いも一緒に頼まれてしまったわ」

「それは、ご苦労!では、マーシーの分も、サービスのパンを入れておくわ」

「ありがとう!」



「メアリーおばさん、今日は!席、取っておいてくれた?」

「ジュディ、遅かったわね。紅茶が冷めてしまう所だったわ。今日は、新しいパンを食べてお行き」

「きゃ~っ!お昼代が浮いちゃった!」



昼時の、この店は、どこよりも活気に満ちている。


下町通りにいた時も、やはり同じだった。それは、パンの美味さだけではなく、メアリーの人柄の良さが、街中の人々を引き付けているのだろう。


ハーリーは、活気に追い出されるように、店を出た。
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