恋心
「夏美もね、いいとこあるんじゃん、ってその時思ったみたいなんだけどさ。なんか…あれでしょ?夏美がバイト先でひっぱたいちゃったって聞いたけど…」
言いながら、
何故か気まずい顔になる彼女。
俺もふとあの時を思い出して、一体何であんなやつにひっぱたかれたんだろうって、今になっても腹が立ってきた。
「ひどくね?いきなりバッチーンだぜ?しかも超強烈」
結構痛かったんだよ、あれ。
「まぁでも話を聞いてたらさ、夏美が思わずパチンてやっちゃったのも理解できるっていうか」
「何で?あいつ俺ともナミとも何も関係ないじゃん」
「そうなんだけどさ…。多分、重なっちゃったんだよ、ナミちゃんと自分が」
重なった?
ナミとあいつが?
「夏美ね、入学してすぐの頃ーーー」