恋心
「うーん…多分ね。って…やだ私、余計なこと喋っちゃったかも…ごめん今の話忘れて!」
彼女は慌てた顔でそう言ったけど。
「ま、忘れるも何も俺には関係ねーし」
そう答えると、ホッとしたような表情をみせた。
「つーか雨、ちょっとマシじゃね?行くなら今だぞ」
しばらくすると雨足も弱まって、俺がそう言うと彼女は傘を開いて自転車にまたがった。
「チェーン、本当にありがとう」
「おー」
「自転車屋になれるね」
「なんねーっつーの」
「アハハッ」
俺達は並んで自転車を漕ぎながら学校までの道を進んだ。
「じゃあ」
「おー」
そして学校に着くと、C組の教室へと先に彼女が入っていく。
30分の遅刻。
教室の廊下側の窓が開いていたからか、
教室内の生徒達の視線が彼女が教室に入ったと同時に廊下にいた俺の方へと向いていた。