恋心
感じるいくつもの視線。
ふとC組の教室を見ると、ナミやセナがこっちを見ていた。
そして…あいつ、相原夏美も。
このクラス、よく考えたら面倒くせー女の集まりだ。
まーた何か勘違いされそうだ。
突き刺さる視線を逃げるように避け、俺も隣の自分の教室へと入った。
「清原、遅刻だぞー」
数学の先生が窓際の席に座った俺にそう言った。
「雨すごかったから雨宿りしてたんす」
「まぁいい。後で職員室に遅刻理由の届けを出しにこい」
はーい、とマヌケな返事をして窓の向こうを見た。
なんだよ…
あんなに土砂降りだった雨は、嘘みたいにすっかり上がっていた。