恋心
永瀬の手が、あいつの手に重なって。
そして、そのままグッと引き寄せられたあいつは永瀬に肩を抱かれた。
見つめ合う二人。
照れ笑いを浮かべる相原。
「…ちっ」
舌打ちが出たと同時に、俺は自転車を止めていた。
そしてーーー
「おい」
そう言いながら近付き、二人が座っていたベンチの前に立った。
「ちょっ、えっ?何よ?」
驚いた顔で相原は俺を見ている。
だけど俺は永瀬を見下ろし、口を開いた。
「永瀬先輩、つまみ喰いなら他の奴いってもらえます?」
「は?何だよこいつ」
「ちょっとバカ!何言ってんのよ!」
ムッとする表情の永瀬。
そして慌てる相原。
だけど俺は、言葉を続けた。